昭和大学医学部小児科学講座は、昭和大学の中でも長い伝統を誇る講座の一つです。建学以来受け継がれてきた「至誠一貫」という昭和大学の理念を基盤に、昭和大学病院、昭和大学藤が丘病院、昭和大学江東豊洲病院、昭和大学横浜市北部病院および関連病院の小児科医師は、小児科学講座の構成員として協同して診療、教育、研究にあたっております。当講座は明るく、楽しく、そして上下の隔たりなくフランクに意見を述べることができる雰囲気をもっています。女性医師の妊娠や出産、育児に対しても十分に配慮し、子育て中の女性医師には正規職員の立場で短時勤務も可能となるように配慮しています。
1.診療
小児科の診療領域は多岐にわたっており、大学病院といえども一つの病院だけですべての領域をカバーすることは現実的に困難です。昭和大学小児科学講座では、昭和大学病院小児医療センター(東京都品川区)、昭和大学江東豊洲病院こどもセンター(東京都江東区)、昭和大学藤が丘病院小児科(横浜市青葉区)、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター(横浜市都筑区)の4病院それぞれに特徴のある専門診療機能を持たせることで小児医療全般をカバーし、併せて卒前・卒後教育、研究も行っています。これは我々の講座の特徴の一つといえます。
詳細については各病院のホームページをご覧いただきたいのですが、おもな領域としては、新生児・未熟児、小児精神・神経、小児アレルギー、小児血液・腫瘍、小児循環器、小児内分泌・代謝、小児生活習慣病、小児腎臓病、遺伝、自己免疫疾患などがあります。また、昭和大学病院では総合周産期母子医療センター、昭和大学横浜市北部病院および昭和大学江東豊洲病院では地域周産期センター機能を有しており、各病院にはNICUが併設され産科や小児外科、関連診療科の協力のもと小児科医が新生児集中治療にあたっています。
2.教育
医学部臨床系講座の重要な使命の一つに教育があります。当講座では4つの附属病院の特徴を生かして小児科専門医となるために学ぶべき必要な領域の卒後教育が可能です。また、定期的な学習の機会を通じて小児の標準的診療や先端的な医療、境界領域の医療について学ぶことができ、さらには科学的なマインドが醸成されるのも、大学病院ならではです。
小児科診療のサブ・スペシャリティ(小児科専門医取得後の専門領域)については、初期の小児科専門医取得のための研修を修了後に希望する領域を選択することが可能で、その場合は専門の診療班に配属され、さらなる研修をうけます。
当講座における診療のモットーは、子どもと家族の幸福を第一義とするfamily centered careです。患者である子どもおよび家族を中心に据えて、小児科医や関連領域の医師、看護師をはじめとする多くのコ・メディカルとともにそれぞれの専門性を尊重しながら有機的な連携をとり診療にあたることが重要であるとの認識から、卒後教育ではこの点をしっかりと学んでもらいたいと考えています。また、そのためにはevidence-based medicine(EBM)のみならず、narrative-based medicine(NBM)の視点も極めて重要であると考え、若手医師の指導にあたっています。
3.研究
研究活動も極めて重要な大学の使命です。各診療グループでは小児科学専攻の大学院生のみならず、医局員によって活発な研究活動が行われています。当教室では、基礎系大学院あるいは臨床系(小児科)大学院に進学した場合には、一定期間研究に専従できるようにしています。当講座における研究は、各診療部門から多くのテーマが挙げられており、研究遂行のために必要な競争的公的研究資金の援助を受けながら活発に行われています。
小児科を志している先生方や学生諸君。次代を担う子どもたちとその家族の幸せのためにぜひ私たちと一緒にやってみませんか。当講座に関心のある方は、新卒・既卒に関わらず、遠慮なくご相談ください。
昭和大学医学部小児科学講座主任教授
昭和大学小児科学教室責任者
水野 克己